● 「わが不老長寿法」(続)その13
岡山弁護士会弁護士  宮 本  敦 
(サポーター,元日本裁判官ネットワークメンバー) 

1 今回は「究極の健康食」の話である。健康によいとされている食品は沢山あるから,それらを程よくちりばめて日常の食事に組み入れて,長期間粘り強く摂取を続けることはとても意味のあることである。しかし多くの人はテレビなどでこの食品が健康によいと放送されると,驚く程の機敏さで反応し,スーパーなどの食品売場からその食品が一時期姿を消すという事態になるが,しばらく食べてはみるものの,すぐには格別変化が生じないので,間もなく効果なしと見切りをつけて,摂取をやめてしまうのではないかと思われる。

2 ザッと思いつくだけでも,納豆,カンテン,バナナ,ブロッコリーの芽などが店頭から消えたことがあり,間もなく復活したような記憶である。
 食品が健康によいといっても,すぐにその効用が現れるということではなく,長期間摂取を続けているとジワジワと効果が出て,ふと気がついてみると何となく体調がよいようだという程度のことに過ぎず,理解不十分ということなのであろう。

3 私が「究極の健康食」として,自ら長期間摂取を続けており,ぜひお勧めしたいと思うのは,「納豆,豆腐,おから,ヨーグルト,キャベツの千切り,もやし」などである。まずこれらは甚だ安価で手に入り,その気になりさえすれば継続摂取は甚だ容易である。

4 私は最近の半年間,ある実験をしてきた。それは1日1食卵納豆ご飯を食べ続けるというものであるが,かなりご馳走風に工夫した。
 わが家ではご飯を1度に5合位炊いておき,1合をほぼ3等分した量にして,その全部をラップに包んで冷凍保存しておくのであるが,その1個を解凍して暖めるのである。それに生卵を1個落とし,納豆1パックにカラシを入れ,醤油の代わりに海苔の佃煮を混ぜ,削りかつおの代わりにビン詰めの鮭を案外タップリと加える。口臭が気になる朝と昼であればネギは省略するが,夕食であればネギをタップリと加える。事務所の冷蔵庫には刻んだネギが冷凍されている。とても美味しく結構なご馳走であり,「ご馳走納豆ご飯」はとても楽しみになっている。

5 納豆は植物性の蛋白質が豊富であるし,ナットウキナーゼという酵素が血液をサラサラにすると言われており,伝統的で典型的な健康食品である。それに生卵と海苔の佃煮と鮭を加えたのが私の工夫であるが,海苔はベータカロテン,鮭は高品質の脂肪であるDHAと赤い色素で高性能の抗酸化物質であるアスタキサンチンを含んでおり,なかなかの健康食品なのである。

6 卵は高品質の動物性蛋白質であるが,コレステロールの心配がある。私は昨年夏の人間ドックの際に,私のホームドクターである友人に,今後半年間毎日1食卵納豆ご飯を食べるという実験をしたいので,半年後にコレステロールの異変が生じていないか血液検査をしてもらいたいと予告をしておいた。そしてこの1月下旬に,5か月間セッセと卵を食べ続けた結果について血液検査を受けたが,コレステロール値は正常で,大いに自信を得た。そこでこれを「わが究極の不老長寿食」と決め,今後も熱心に食べることにした。多くの場合夕食として食べている。卵を食べた場合のコレステロール値は人により反応が異なるようなので,心配な人は血液検査をするか,卵入りとそうでない納豆とを取り混ぜるのも一方法であろう。

7 私はウィークデイの朝食は,ヨーグルトを大さじ3杯,牛乳150CCにオリーブオイル大さじ1杯,豆乳150CCに大豆プロテイン大さじ1杯,紫色の野菜ジュース150CCで済ませている。昼食は自分で作った小さいおにぎり1個と千切りキャベツ中心の野菜(キューリスライス,ブロッコリーの芽,サラダ用セロリを混ぜる。)ということが多い。モヤシおじやも味噌味と醤油味で活用している。焼き魚もよく食べる。
 キャベツやもやしやヨーグルトやおからをしっかり食べると,まるで小学生のころそうであったように,自分でも驚くほどの「天下の快便児」になるので,笑ってしまう。
 夕食は多くの場合ご馳走卵納豆ご飯と野菜ということなので,本当はこのような食事で太る筈はないのであるが,実はそこに秘密があり,超えなければならないハードルがあるということである。

8 豆腐を継続して摂取する方法にはこれまで案外手こずってきたが,最近コンスタントに食べている。冷や奴,湯豆腐,マーボ豆腐などとして日替わりで,昼と夜の1日2回,手軽に同じものを食べることができるように,2個の容器に入れておく工夫をしたのである。
 おからは出来合のものを2パック程度買って来て,容器に移しておき。,少しずつ食べて,無くなったら買ってくるのである。
 ウィークデイは毎日,私がこしらえた「究極の健康食」が,多くの容器に詰まった弁当を,手提げ用布袋2個に詰めて車で事務所に運んでいる。この弁当の詰め方にも,みそ汁でさえもこぼさないという,2年間にも及ぶ私の工夫が凝縮されているのである。

9 土日はかねてからの研究の成果を生かして,日本ソバ,ソーメン,うどんを食べることが多い。日本ソバ(ザルソバと暖かいソバ)とソーメンの味はほぼ合格点に達した。今美味しいうどんを研究中であるし,いずれ手打ちソバに挑戦する予定である。ソバには抗酸化物質のルチンが含まれているが,ソーメンとうどんが特に健康によいという話は余り聞かない。

10 「不老長寿法」といっても特別な秘策があるわけではなく,結局いかに体に優しく,健康に好ましい食事を工夫し,継続できるか,またストレスを溜めない精神生活ができているかということに尽きる。たばこはやめ,酒は適量に抑え,適度のスポーツで汗を流し,何事にも前向きでクヨクヨせず,ストレスを溜めないという生活習慣が全てである。

11 私が「納豆,豆腐,おから,ヨーグルト,キャベツの千切り,もやし」を意図的に摂取するようになってから既に半年以上が経過した。多少増えかけていた白髪が何だか最近減ってきて,以前にも増して髪が黒くなってきたような気がするし,妻は私に「加齢臭」はないという。最近これらに魚を加えて,「私の究極の不老長寿食」と決め,わが不老長寿法の決め手にすることにした。あとは「究極の減量法」である。私は美味しい物を少し食べるという,甚だ高度で困難な目標に挑戦しているので,このためには一層の精神の充実を必要とする。しかしおそらく遠からずその成功した結果を発表できるだろうとの予感がある。減量理論はトックに完成しているのであるが,空腹対策に失敗しており,宴会も多いし,時にやけ酒に似た飲酒をするのが障碍となっている。仕事面での状況改善と精神面を含めた今一層の人間的飛躍が必要だということなのであろう。

(平成21年2月1日)