● 「わが不老長寿法」(続)その7
岡山弁護士会弁護士  宮 本  敦 
(サポーター,元日本裁判官ネットワークメンバー) 
1 先日面白い新聞記事があった。イギリスのケンブリッジ大学などの研究チームが,イギリスの約2万人を調査した結果として,(1)タバコを吸わない,(2)運動をする,(3)毎日野菜と果物を食べる,(4)適度に飲酒する,という4つの生活習慣を守ると,全く守らない場合に比べて,14年間長生きするというのである。平均して14年というのであるからかなり顕著な違いである。わが意を得たりというところであるが,「適度の飲酒」というのは,「酒は百薬の長」ということであろう。チョッピリ嬉しいが,「適度」というのは多少困惑するところではある。

2 私の減量については,おそらく近いうちに完全な成功例として報告できると考えているが,今はまだ理論的完成の域を出ていない。最近少し痩せたことは間違いないが,2キロないし4キロ減という程度でストップしている。私は月曜日から金曜日の夕食前まではほぼ完全に減量に成功しているが,週末に一週間の努力が帳消しになっているのである。そんなに暴飲暴食しているわけでもないのに困ったことである。それは単身生活が既に5年に及んでいることと深く関係している。減量には心身の充実と減量に対する強い動機が必要である。しかし今の私にはそれが少し欠けているということだろう。私は犬と猫とで暮らす単身お留守番生活の寂しさが週末に爆発するのだと弁解している。と言っても一週間を頑張ったご褒美として週末に多少飲食の量が増えているというだけのことに過ぎないが,人はこれを「やけ酒」というのかも知れない。それを私の高性能の胃腸が全てエレルギーとして分解し吸収してしまうということである。たったそれだけのことで一週間の努力がフイになってしまうは甚だ不当で納得できない。この程度は許されてもよいのではないかと思う範囲内であるが,如何ともし難い。しかしこの4月から別居も解消されそうな雲行きなので,いかなることになるか,楽しみである。

3 平成19年11月の血液検査で数値が一層改善されて,またもや医師から褒められた。異常値は1項目だけで,それも正常値の上限が219の総コレステロールが225であったということなので,殆ど問題はないということである。飲酒量に関するガンマGTPは58(正常値は80,正常値は病院により多少差がある)で,この数年の最低値であるし,血糖値も102(正常値の上限は109)であった。「あとは体重ですね。」と医師も笑っておられた。血圧も多少高めである。

4 この話を,仕事の関係で別居し,関東地方に居住している妻に電話で話したところ,ある新聞に私とそっくりな人の記事が連載されているという。2人の中年男性がメタボ解消実験を長期間継続しているという記事であるが,1人の人は努力が実を結び,着々と約10キロ痩せて,医師からこれ以上減量しない方がよいと言われたというのである。もう1人は,頑張って運動したり食べる量を減らしたりして,血液検査の結果も大幅に改善されたのに,体重は2〜3キロしか減らないというのである。妻はまるで私のことが記事になっているかと思う位ソックリだと言った。そして妻は付け加えた。その男性は,「ヤッパリ酒を減らすしかないかな」と言ったというのである。「何!この人はこれまで通り酒を飲んでいたの!」と妻は思わず吹き出してしまったというのである。私も同じ新聞を取っているので調べてみたが,岡山では見つからなかった。

5 私も血液検査の結果が示しているように,飲酒量は大幅に減ってはいるが,完全に酒をやめているわけではない。しかし日頃は飲酒しない日もあるし,飲酒する日も,酒が百薬の長であるとされる1日30グラム以下のアルコール量の範囲であるから,日頃の飲酒には問題はない。きっと妻との別居が解消されれば,事態は一変するのではないかという予感がある。

6 千切りキャベツ減量法(健康法)は著しい効果を発揮している。おそらく私の血液検査の結果の改善は,この千切りキャベツのお陰であると考えている。かつて「わが不老長寿法」(旧その3)で,私が「天下の快男児」を目指したら,1字違いの「天下の快便児」になってしまったと書いたことがあるが,千切りキャベツ減量法に取り組むようになってから,益々「快便児」になっているし,体調も甚だよい。70キロを切るまで痩せたら,本当に「かくしゃく超百歳」になれそうな気がする。
 キャベツ減量法は本でもテレビでも話題になったが,案外成功している人は少ない。失敗の理由はキャベツをおいしく食べ続けることが難しいということのようである。キャベツダイエットを始めると,間もなくキャベツを見るのも嫌になるということらしく,おいしく食べ続けるためにはかなり工夫が必要であるし,これが成功のポイントとなる。

7 テレビが放送した「おいしい千切りキャベツの作り方」の要旨は次のとおりである。
包丁はよく切れることが必要であり,2か月に1回位研ぐことが望ましい。
包丁の構え方としては,包丁を食材と直角に真っ直ぐ前に押し出すことが必要であるので,左足を前に,右足を引いて,体を45度の半身にし(右ききの人),両足を揃えない。
包丁を前に押し出して切るのがよく,上下に押し潰すのはよくない。キュウリで練習するのがよい。
手は猫の手のように軽く丸め,指先は真下よりも内側になるようにする。
指と包丁の位置関係は,人指し指の第2関節近くが常に包丁に接しているようにする。
キャベツの高さを低くするため,キャベツをはがして3センチくらいの高さにして切るのがよい。押さえつけておくのもよい。
切り急がないで,同じところを何度も切るつもりでよい。

8 テレビのやり方で随分練習して多少上達したが,案外時間がかかる。そこでその後私が工夫した点は次のとおりである。
キャベツ1玉を半分に切る。
キャベツの茎の部分を手前にして,まな板の上に立てるように持つ。
ほぼ真ん中のシンの当たりから,下へ包丁を滑らせて切る。
 この方法で,ほぼ完璧に短時間でおいしい千切りキャベツを量産できるようになった。なお来客用などでおいしい千切りキャベツを作りたい場合には,キャベツの上半分だけを使用し,青い部分を増やすのがよいと思われる。

9 この千切りキャベツに,キュウリスライス,ブロッコリースプラウト(芽),サラダ用セロリなどを大きめの弁当箱に一杯入れて,昼と夜の弁当として2回で食べ切ると殆ど空腹感に悩まされることはなくなった。これに蛋白質としてノンオイルツナを加え,各種のノンオイルドレッシングとハーフカロリーのマヨネーズなどの味付けをいろいろと組み合わせて工夫すると殆ど飽きがこない。

10 減量には空腹対策として低カロリーの補給食品の準備が必要である。とにかく空腹を我慢しすぎると必ず爆発する時が来て,減量に失敗する。トマトを食べるのもよいだろう。コンビニで売っている寒天やマルチビタミンなどのゼリー飲料なども低カロリーで活用できる。そして岡田斗司夫氏が「いつまでもデブと思うなよ」(新潮新書)で書かれているように,頑張りではなく,頭(工夫)で勝負すべきであろう。彼は運動も飲酒もしないということなので,「飲んべえの減量法」としては参考にならない部分もあるが,私も彼の主張に賛同して,究極の減量法としてカロリーチェックを開始し,今その実験段階にある。

11 おそらく理論的完成のみならず,実践を含めた全面的減量法の完成の日も間近いものと考えている。そのとき初めて「かくしゃく超百歳」が現実のものとなるのであろう。
 
(平成20年2月1日)