● 「わが不老長寿法」(続々)その1
岡山弁護士会弁護士・サポーター  宮 本  敦
1 不老長寿の最大のポイントは,いかにして「脳の老化」を防止するかということであろう。脳の老化は年齢とともに自然に進行してゆくものであるから,それを意図的な努力で防止することは甚だ困難であるに違いない。平均寿命は男性で80才,女性で85才と考えてよいが,一応かくしゃくとして平均寿命まで生きれば,それで十分長寿だということにはなる。

2 しかしながら,世の中にはかくしゃくとして長寿の人が沢山いる。ギネスブックによると世界一の長寿者は122歳まで生きたという。わが国でもかくしゃく超百歳の人は少なくないようで,100歳を過ぎてもスキーを楽しんでいる人もいるらしい。日野原重明医師も確か99歳の筈であるが,テレビで拝見してもかくしゃくとして若々しい。おそらくこのような方々も,スポーツで体を鍛えたり,あれこれの努力はされていると思われるが,他人にはとても困難なような格別特殊な努力をされているというわけでもなさそうである。そうだとすると遺伝的要素が大きいのかも知れない。

3 格別長寿の遺伝的因子を持って生まれてきたわけでもなく,時たま健康雑誌などを読むというレベルの者が,現代医学の最先端の学説を駆使するのだと嘯(うそぶ)いて,不老長寿を目指して努力をすることに,一体何らかの意味があるのだろうか。それは甚だ疑問であろう。しかし医師でもなく,健康に関して甚だ無責任な立場で,格別の自信もないままに,遊び心で「不老長寿」を論ずるのであるから,甚だ気楽な話である。

4 かくしゃく長寿者の特徴として,脳が老化していないことが指摘されている。脳が極めて健康で,記憶力や注意力の衰えが少なく,100歳を過ぎているのに,脳の機能は60歳から70歳程度だというのである。認知症などとも全く無縁のようである。一体どうすればそのようになれるのか。意識的な努力でそれが可能なのであろうか。これからそれを無責任に論じ,既に実践中の努力に加えて,新しい試みもしてみようというのである。私の意欲の源は,68歳である私の髪が今なおふさふさ(?)とし,黒々としていること,それが遺伝的因子により自然にそうなったものではなく,私の人知れぬ長年の努力の成果であると,私が固く信じ込んでいるという一点に尽きる。

5 できることなら,かくしゃくとして元気な100歳の誕生日を迎えることはできないものか。長寿ではあっても病気で寝込んだりしているのでは,家族に迷惑をかけることにもなる。できれば100歳までテニスなどを楽しみながらピンピンと生きて,百歳の誕生日を迎えた後にコロリと死ぬ。これを「ピンピンコロリ人生」,略して「ピンコロ人生」という。これが私の目標であるが,難題は多く,到底無理だろうという気もする。そこでまだ元気な間に,到底無理かと思われる目標を立てて,詐欺師のような心境で,無責任に不老長寿を論じてみようという話である。

(平成23年4月1日)