● わがB級グルメ道(その5)
岡山弁護士会弁護士  宮 本  敦
(サポーター,元日本裁判官ネットワークメンバー)
1 今回は,最近私が凝っている手軽で安価で自信を持って推薦できる健康食品について書くことにした。それはヨーグルトと豆腐と納豆の話である。いろいろと実験した結果,これらを日頃適度に分散してしっかり食べておれば,必ず不老長寿ないしアイチエイジングに役立つという確信を持つに至ったのである。

2 まずヨーグルトである。これは私の生活にほぼ定着しており,もう十年近くセッセと食べ続けている。ブルーベリーの冷凍袋詰めを買ってきて,それを10粒くらいとバナナ4分の1本,ヨーグルト大匙3杯を混ぜたものを毎朝食べるのである。私の朝食はこのヨーグルトとオリーブオイル入り牛乳と野菜ジュースだけであり,カロリーも少ない筈である。
 夕食時にもヨーグルトだけを食べている。
 一般にヨーグルトに含まれる乳酸菌が生産する多糖体には整腸作用があり,免疫力を高め,ガン防止作用があるとされている。またブルーベリーに含まれている紫色の色素であるアントシアニンは,強力な抗酸化物質として老化・ガン防止作用があるとともに,網膜の細胞にある色素体に作用して活性化させ,光に対する感度を高め,視力の向上に役立つとされている。バナナも抗酸化物質を多く含んでいるそうである。またヨーグルト自体は乳製品であるので,良質の脂肪,蛋白質,カルシウムなどの補給源となる。

3 豆腐は良質の植物性蛋白質の供給源として重要であるが,案外食べにくいので工夫が必要である。
  1. モツ,スジ煮込み
     モツやスジというのは一癖あり,ゲテモノ風なので,誰もが好きというわけではないかも知れない。最近私はこれに凝っている。モツなどの内臓を食べる民族は長寿であるという説もある。
     味付きのモツ煮込みとスジ煮込みの袋入りを売っている。日本産もあるが高い。大体は中国産で安い。中国産だと何かと不安がないわけではないが,外食する場合のモツやスジはおそらく中国産を使っているのであろうから,安全のために高い日本産を選ぶのは余り意味がなさそうなので,日本産でも中国産でも買うことにした。
     モツ煮込みかスジ煮込みを1袋鍋に入れて,水500CCくらいを加え,これに豆腐1丁を切って加えて加熱し,白味噌で味をつける。暫く煮込むと簡単に出来上がる。
     食べる時に椀に小分けして,七味とうがらしを振りかけて,白ネギを加える。白ネギはスライスしたものを容器に入れて冷凍しておくと便利である。煮込みが冷たくなっている場合は電子レンジで加熱する。ゲテモノ喰いには堪え(こたえ)られない美味しさである。
     半年ほど前にこの方法を見つけてから,私の豆腐消費量は飛躍的に増加した。味付けしていないスジは容易に入手できるが,余り美味しくならない。
     これまでプールに泳ぎに行った帰りに,月に1回位プールの近くのお気に入りの赤提灯で,生ビールの大ジョッキでモツ煮込みを食べることをわが人生の大いなる楽しみにしていたが,最近はこの自作料理のせいで,その赤提灯に全く行かなくなってしまった。因みに妻は余りこれを好まない。
  2. マーボ豆腐
     市販のマーボ豆腐の素を買って来て,セッセと食べている。昼食と夕食の弁当のおかずになる。
  3. 味噌汁
     ワカメ,ナメコ,納豆などと豆腐の味噌汁は結構美味しく,活用できる。
  4. 高野豆腐
     案外好きなので,商品の箱に記載されているとおりに,美味しく調理できるようになった。これも結構頻繁に調理している。1回に鍋で3切れ煮る。
  5. 湯豆腐とヤッコ豆腐
     これらも,結構手軽に活用が可能である。
  6. 豆腐の効用
     かくして最近はかなり工夫して,まるで主食のようにセッセと豆腐を食べている。とても美味しくて満足している。豆腐は良質の植物性蛋白質の供給源であり,沢山食べても太るとは思えない。また豆腐の具体的な効用はよく分からない。ある本によると,女性が男性よりも長寿であるのは,女性ホルモンによって守られているからであるとされているが,女性がある年齢に達すると女性ホルモンの生産量が減ることになる。その際,豆腐を食べることで女性ホルモンに代替する作用を演じるというのである。やや理解困難ではあるが,豆腐が健康によいことは疑う余地がないと思われる。
4 納豆
  1. ポリアミン健康法
     少し前にNHKの「試してガッテン」と民報の「思いっきりテレビ」で納豆について面白い話をしていた。それらと私の工夫を総合すると次のようになる。
    1. 納豆を冷蔵庫から取り出し,約30回かき混ぜると納豆菌が活性化する。低温では納豆菌が活躍しないというのである。
    2. これに生卵を加えてかき混ぜ,30分置いておくと,納豆菌により卵の蛋白質を原料としてポリアミンが生産される。ポリアミンというのは,成長促進物質だとか,若返り物質であると言っていた。
    3. 食べる直前に,醤油,カラシなどを加える。ワサビ漬けを加えるのも美味しい。
    4. またオリーブオイル小さじ1杯を加えてかき混ぜると,体脂肪率の低下が期待できると言っていた。オリーブオイルは殆ど味がなく,気にならない。
    5. 醤油の代わりに海苔の佃煮を混ぜ,削りかつおの代わりにビン詰めの鮭を案外タップリ加えると,わが自慢の名物料理「ご馳走納豆ご飯」ができあがる。更にシラスを加えるのもよい。とにかく工夫して,できるだけ豪華にするのである。
    6. 以上はご馳走納豆なので,ややあくどい気もする。毎日これを食べていると多少ウンザリしてくるので,いろいろと実験した結果では,納豆を週3パック目標,その内1回はポリアミン健康法を採用し,2回は普通の削りカツオ納豆という割合がよいような気がする。
    7. 「ポリアミン健康法」は最新研究の成果だと言っていた。欺されたつもりで試してみるのも悪いことではない。
  2. なっとうみそ汁も案外美味しい。豆腐とネギを加えるのがよい。
  3. 白菜キムチを細かく刻んで納豆に混ぜると,自覚症状のない微細脳梗塞が治癒するという説がある。
  4. わが家ではご飯を1度に5合位炊いておき,1合をほぼ3等分に小分けして,その全部をラップに包んで冷凍保存しておくのであるが,とても便利である。その1個を解凍して暖めて納豆ご飯にするのであるが,ご飯の量も少なくてよい。
  5. 納豆は植物性の蛋白質が豊富であるし,ナットウキナーゼという酵素が血液をサラサラにすると言われており,伝統的で典型的な健康食品である。それに生卵と海苔の佃煮と鮭とシラスとオリーブオイルなどを,全部か一部を適宜混ぜて飽きないように変化をつけるのであるが,栄養的にも極めて優れており,「健康食の極み」とも言うべきことになる。
  6. 卵は高品質の動物性蛋白質であるが,コレステロールの心配がある。本気でポリアミン健康法を試してみようと思う人は,その実験開始前と3か月後に血液検査をして,コレステロール値が高くならないかをチェックしてみるのがよいと思う。
5 この三大健康食品は安価であり,手軽に継続できそうに思える。これに「オリーブオイル牛乳」を加えた「四大健康食品」を,「わが不老長寿法の秘伝」として今後10年間,本格的に実験してみることにした。本気で不老長寿ないしアンチエイジングに挑戦してみようという人には不可欠な食品であるような気がする。これらを日常生活にいかに巧みに組み込むかが腕の見せ所であろう。この方法を定着させると,ヒョッとすると日野原重明医師のように,不老長寿のお手本のような人間になれるのではあるまいか。そしてかくしゃく超百歳も夢ではないかも知れない。
  もっとも一応健康な食いしん坊が,所詮無責任に戯れ言を言って遊んでいるに過ぎないから,甚だ気楽な話ではある。

(H22・4・1)