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事件関係者は,裁判の結論に直接の利害関係があり,その内容と切り離して評価情報を提供することに困難な面があり,客観性のある評価を期待しうるのか,その情報提供が裁判の判断内容にわたる場合には,裁判官の職権行使の独立性の確保の観点から問題である。
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A |
評価情報の信頼度を判定するために,広範囲な事件内容の調査を行うことになれば,そのこと自体個々の裁判官に対する心理的影響,事件の審理に影響を及ぼす影響等がある。
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B |
事件関係者に限らず,一般的に部外者から裁判官の評価について意見を聴くのは,客観的な事実に基づく責任を持った意見を述べることが可能なのか,単なる人気投票と化すおそれがあるのではないかという疑問がある。
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C |
弁護士会や検察庁に評価情報の提供を求めると,職権行使の独立性確保の上で問題生じうる。
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D |
大規模庁で訴訟事件を担当せず,民事執行事件をのみを担当する執行部で勤務する裁判官のように,当事者との接触が少ない裁判官は,当事者から評価情報の提供を受ける調査を実施し難い。
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E |
アメリカの州裁判所の中には,アンケート調査等を行っているところがあるが,評価の目的が主として裁判官の教育,能力向上に置かれている点において我が国とは異なっているし,ドイツやフランスでは,評価に当たって裁判所外の者の意見を取り入れることは行われていない。
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