皆様からのメール(2005/8/1)


30歳代 女性 京都府 会社員

 裁判官だってしゃべりたい!を読みました。それまで遠い存在だと思っていましたが、人間として同じように感じたり悩んだりしていることが改めて分かりました。
 ただ大変な職業と分かりながらそれでも裁判官になった人でさえも人を裁くのが苦しいのに、4年後に始まる裁判員制度でも何の覚悟もできていない人達に果たしてそんな大役が勤まるのかなと思っています。
 じつは数ヶ月前にひょんなことから司法特別番組に裁判員役として参加しました。テレビ番組でしたので架空の事件をもとに裁判が行われ、合議するというものでした。その時に感じたことも含め知人に制度のことを聞いてみたりしましたが、あまり良い結果ではありませんでした。制度を立ち上げる側と受けとめる側に温度差があるような・・。さらに男女の間にも違った感情があるようでした。
 世論でも決して賛成派が多いわけではないのに今、何故制度をスタートするのか知りたいです。ぜひ教えてください。どこに質問していいのか分からずここで聞いてみています。
 また裁判員制度が本当に定着したらいずれ司法のあり方はどういう風になっていくのかなと思っています。
(平成17年6月)
(ご質問に対して,本HPの新コーナー「裁判員裁判に向けて」で,会員の意見を準備する予定です。編集委員)




60歳代 男性 自営業

 国民の多種多様な諸問題(事件)を裁くため日夜驚愕の職責を果たし厳しい職務遂行には頭が下がりますが,その真摯な努力をよそに昨今の弁護士の多くは真実に基づいて調査して裁判に挑まねばならないところ,己の私利私欲のため,如何に裁判官を騙すかに全精力を傾注する不届き弁護士が非常に多いことに危惧を覚えます。裁判官が担当する事件数は過酷なほど沢山の事件を受け持ちますが,その多忙事実を奇貨に裁判官を騙すことに終始する弁護士らの姿勢を正すべきではないかと思料する。昨今の裁判官にあっては,弁護士らは,法曹人として,その職責に従って真正な行動をされていると認識し,弁護士の主張を信じてしまったり,信ずることによって,裁判官職務の軽減に繋がる結果が誤判を招いている現実があります。
 裁判官を監視する弾劾による訴追組織があっても弁護士を取り締まる制度はなく,かろうじて存在するのは各県の弁護士会綱紀委員会程度であるが,その弁護士の実態は,弁護士の不正(犯罪)行為があった場合,弁護士会は,その対象弁護士を擁護するためにあるような制度でしかないことが要因し,結果的に裁判官の判断基準を誤らせる結果となっている場合が多い。裁判官に与えられた過酷な職務を正確に判断できる環境の整備が必要と考える。そんな環境の中で真正なる判断を強いられる裁判官に敬意を評したいと思います。
(平成17年6月)


30歳代 男性 自営業

 始めてメールさせていただきます。
 私の父親は裁判官を23年勤めた後、弁護士に転職したのち、14年前に他界しました。父親が他界した後、司法関係の世界から疎遠になり
今の裁判官の現状などはほとんど知らなかったのですがここの記事などを読んでみて、あまり変わって無いんだなと思いました。
 意外と知られていない裁判官不足。実は令状当番などの夜勤なんかもあることも世間ではほとんど知られてませんよね。官舎もとても古く狭くて、小学生の時に家に遊びに来た友達が、我が家を見て一瞬固まったのを今でも覚えてます(笑)(検察官の官舎はもっとヤバかった…)。最近社会保険庁などの豪華な社宅などがテレビで報道されていましたが、あれを見ていると「ありえねぇ!!!少し裁判官官舎に金回せよ!!」と思わずテレビに向かって叫んでしまいました(笑)
 裁判官の皆様、日々激務が続いていると思いますが
お体にだけはお気を付けて下さい。影ながら応援しております。
(平成17年6月)


20歳代 女性 静岡県 法科大学院生

 入学したばかりの四月、裁判所での傍聴の後に、裁判官、検察官の方にお話を伺う貴重な機会がありました。皆さま、気さくな方ばかりで、少々聞きにくい質問にも丁寧に答えてくださり、とてもうれしく思いました。しかし、このような機会はもうあまりないのではないかと少し気になっております。
 ロースクールの教授には、弁護士の方は比較的多くいらっしゃいますので、授業や課外活動を通して、弁護士の方と接する機会は割と多いのですが、裁判官や検察官の方と接する機会は極端に少ないように感じられます。最近、裁判委員制度について考える会合のようなものが地方裁判所で行われたようなのですが、残念ながら平日であり、授業との関係で参加できず、大変残念に思っています。以前参加いたしました、弁護士会館で行われた勉強会は、土曜日の午後でしたので、参加することが可能でした。
 裁判所は国家機関であるために、土日祝日等に市民と裁判官の方とが触れ合うような会のようなものを行うことはやはり無理なのでしょうか。司法に関心を持っている人は以前よりも増えてきているのではないかというのが私の印象です。しかし、平日ですと、仕事を持っている人や学生などは関心を持っていても参加できません。またロースクールの学生として、弁護士の方の話ばかりでなく、検察官や裁判官の実務での話、なぜその仕事に就こうと思ったか等、もっと詳しく聞いてみたい気持ちもあります。裁判官は大変多忙だとのことですが、裁判員制度ももうじきスタートすることに合わせて、1年に数回くらいでいいので、できれば土・日・祝日に、市民や学生がもっと気軽に裁判官の方の話を聞く機会が増えればいいのにと思うこの頃です。
(平成17年6月)


50歳代 男性 大阪府 会社員
■小さな刑事裁判ですが、今年始めに判決がおりた ACCS事件というのがあります。ある個人が、ACCSという組織に対してサーバに不正侵入したとして訴えられた裁判です。これは、多数のサーバ管理者とネットワークセキュリティ専門家に対し、少なからぬ衝撃を与えました。コンピュータ技術者からは、多くの専門的な解読がインターネット上に寄せられています。わずかですが、弁護士等、法サイドからの意見も見受けられます。ただ、それは原則論に終始しているうらみが感じられます。当該事件に直接かかわってはいないため、しかたがないのでしょうが。
 しかし、検察側は、当初から立件できると確信して、行動に移った形跡が多分にあります(そのため、報道機関にリークまでしております)。(略)
 報道されたその判決概要を読む限りでは、あまりにも貧弱にすぎるものだと,私としては考えています。小さな事件ですが、将来の日本でのインターネットの動向に大きくかかわってくる判決には違いありません。(略)
(平成17年7月)