40歳代 女性 主婦 愛知県
5月下旬、地裁の裁判を傍聴しました。
判決の言い渡し、2件。
1件めは、50代くらいの男性、何度も刑務所を出たり、入ったりしている。覚せい剤の使用の罪。彼は、実刑を受けた。
2件めは、青年。道路交通法違反。彼は、執行猶予が3年ついた。
私は、判決の言い渡しを傍聴するたびに、被告人のそれぞれの人生を垣間見ます。
また、判決を述べた後、被告人に語りかける、裁判官の言葉に、耳を傾けます。その言葉や、語りかける様子に、裁判官の人間性を見るからです。
40歳代 男性 会社員 大阪府
昨日の例会(5月例会,NHK土曜ドラマ「ジャッジ」を巡って)に参加させていただきました。途中からの参加でドラマを全部見ることができなかったのは残念でしたが、皆さんのお話を伺い、いろいろと考えさせられました。
ドラマの最大のポイントは、今までほとんど生身の人間としてイメージされてこなかった裁判官に光を当て、感情を持ち、悩み、揺れ動く人物として描いたことなのではないでしょうか(法廷で泣くのはオーバーだとしても、海を見てボーっとしたり、家族と揉めるのはありだと思います)。
それに加えて裁判官個人だけでなく、書記官や調査官といった裁判所全体の人間像にも踏み込んでいたことが、「プロ」の批評にも耐え、また素人が見ても分かりやすい内容になったのだと思います。
「あなたなら執行猶予をつけますか、それともつけませんか?」の問いに、僕は実刑の方に挙手しました。それは、昨今の厳罰化の流れの中で、多数の市民は「人を殺しておいてたった一年か!」と叫んだ遺族の方に感情移入し、まして執行猶予をつける勇気などないのではないかと思ったからです。その点、井垣さんは鋭いご指摘をされていたと思います。そのご意見を聞いてから、僕は主人公に対し、小野武彦演じる書記官が「子どもは面倒を見てくれる施設がありました」と告げるシーンは、蛇足というか、視聴者に「主人公の判断は間違っていなかったんだ」と安心させるだけの働きしか持たない余計なものだと感じました。ドラマ的にあそこで執行猶予の判決は出せなかったと思いますが、主人公の迷いがあれで解消されちゃったらいかんよなぁと思いました。
メディアの影響力の強さは自覚していただきたいですが、一般市民に司法への関心を持ってもらういいきっかけになったとも思います。もし続編が作られるのでしたら、その前に再放送していただくと、僕としても有り難いし、きっと視聴率的にもいいと思うんですけど。
山田眞也 千葉県 弁護士
裁判員法の見直しを求められた大谷国夫さんのご意見(6月号「皆様からのメール」掲載)は、まことに適切に問題点を指摘されたものだと言いたい。
裁判官が職場の話を家庭に持ち込まないのは、身についた心構えが、ごく自然な習慣となり、誰もそれが制約だとは感じなくなったものだが、裁判員法の実施を急がれる裁判官の方々は、それが裁判員にとっても当然に期待できると勘違いしているように見える。裁判員法は夫婦の間に秘密を持ち込ませるものだという指摘を、もっとまともに考えるべきではないか。そもそも守秘義務の範囲がほとんど限定されず、大谷さんが指摘されるように、誰かがその制約を無視すると、裁判員全員が被疑者扱いをされかねないような制度の下では、個々の裁判員がせっかく苦労して得た経験の成果が、誰にも伝えられず、国民の裁判に対する理解を深めるためには、何の役にも立たないことは、明々白々だと断じていいだろう。このような指摘があるのに、ネットワークのメンバーやサポーターからは、それが全く無視されているように見えることは、大谷さんだけでなく、裁判員制度に期待を寄せている多くの国民をも、深く失望させるものではないか。
福島みずほさんが実施延期論に転じたとされることが、「今更何を言い出したのか」と冷ややかに扱われているが、私にはそういう受け取り方の方が理解しかねる。福島さんが量刑まで裁判員に決めさせることに疑問を示したとすれば、それは陪審制度の原則に戻ることを提案しているに過ぎず、少しもおかしいことではない。裁判員法が国会で満場一致で議決されたことは、それを金科玉条として有り難がる理由には少しもならない。立法から実施までの間に問題点が見えてくるのは、いささかも不思議なことではない。もう決まったことだから修正できないなどという主張には、何の根拠もない。諫早湾干拓は、一度決められたことだから断じて引き返せないという主張と、どこが違うのか。
50歳代 男性 自営業 埼玉県
裁判官の肉声?が聞こえてくるような文章を心躍らされながら(楽しく、真剣に)読ませていただいています。
最近、親戚に裁判官を職業とする者が加わったので、改めてブックマークしております。多忙で神経を酷使?されているであろう皆さんが、このような活動をなされていることに深く敬意を表します。
最近では「ある死刑囚に関する随想」を真面目に読ませていただきました。 |