● 裁判員になりたい人をふやそう
正路怜子(大阪府,主婦) 
 9月17日に大阪で行われた「アメリカにおける陪審制度』の報告会(日本裁判官ネットワーク主催)に参加し、日本でこれから始まる裁判員制度についても議論した。日本では70パーセントの人が裁判員にはなりたくないと否定的だという。その理由は素人が専門家と組んでもどうせ刺身のつまでしかない・・・というものである。

 でも私はそういう考えでは、司法改革はできないと思う。権威によっかかり、専門家にゆだねたことによる閉塞感が今日本を覆っているのだ。あらゆる分野で、小泉さんのスローガン『改革を止めるな」がたくさんの国民の心を捉えたのである。その内容は問題だらけではあるが、その呼びかけによって、今まで選挙に行く気のなかった人たちがどっと選挙に参画した。

 参画すればその結果も気になるし、そのテーマの情報が目に入って来る。今までよりは勉強する。男女雇用機会均等法の改定で、「セクハラ」という言葉が入ったおかげで、たくさんのセクハラ訴訟が始まった。

 裁判員制度も、始まれば、国民は裁判にもっと関心を持ち、量刑の意味を考え、人が人を罰することの意味を考え、社会のあり方を考えることだろう。

 制度の完璧を目指すのはもちろん大切だが、まずはじめることである。普通のおばさんやおじさんが裁判所をうろうろするだけでも、裁判所の人を寄せ付けない冷たい雰囲気がかわってくる。

 日本ではほとんどの組織が縦割りで、情報もそのルートからしか流れない。だからこそネットワークが必要である。裁判官ネットワークもJネットも、もっともっと大きくなってほしい。

 国民だって裁判に参画したい!
(平成17年9月)