● 女王の裁判所その2 「主張の迷走、書証の洪水」の巻
チェックメイト 
(この物語は、あくまでフィクションであり、実在の人物・事件・テレビドラマとは無関係の女教諭の話である。)

 私が任命したA君、さっそくクラスの揉め事を裁いてくれてるわね。でもみんな、自分の言い分をちゃんと整理して言わなくちゃ駄目よ。何を言ってるのかさっぱり分からない子がいるって、A君ぼやいてるわ。そういう子は、弁が立つ子に頼んで、代わりに言ってもらうのね。お礼はちゃんとするのよ。それから、証拠は出してもいいけど、何でも出せばいいってもんじゃないの。あなた、本を丸ごと1冊出したそうね。「こまった人」だって。じゃあ図書室の本みんな借りて来て出したら勝てるのかしら。困った人ね。(つづく)
(平成17年12月)