● 弁護士任官どどいつ(30)

竹内浩史(さいたま地裁川越支部) 
「お笑い芸人 外面よいが 家内・陣内 わからない」

 最近、お笑いタレントと女優との離婚が相次いで報じられた。離婚訴訟を担当していて思うのだが、なぜそうなってしまったのか原因を究明する「失敗学」が、この分野でも展開されてよいと思う。

「愛があったら 年の差なんて 関係ないのは 若いうち」

 芸能界でも時折見られるが、年齢差があまりに大きいカップルは、年数の経過とともにリスクが増大するようだ。

「仕事に理解の ない妻よりも 仕事の出来る 部下と出来」

 典型的なのは昔から医師と看護婦だろうが、この類型が目立つのは否めない。奥様方は要注意。

「マスオさんなら 波平・フネと カツオ・ワカメと 暮らせるが」

 夫妻どちらかの親との同居は、全員がよほどの人格者でない限り、容易ではないようだ。

「我を忘れて 過剰な期待 これじゃ子どもが かわいそう」

 片方の教育熱心が行き過ぎて、不仲の遠因となる例も目立つ。最大の犠牲者は、当の子どもではなかろうか。

「こじれにこじれた 元はと言えば よりを戻して よりにより」

 よりによって同じ相手と、別居・離婚と復縁を何度も繰り返す例も珍しくない。

「片目つぶって 大目に見よう 他人の始まり なのだから」

 たとえ似た者夫婦であっても、別々の家庭・教育等の異文化で育ってきた他人である。互いに自分の好みを押し付け合うのはよくない。昔から言われるように、結婚相手を決めるまでは両目を見開いていても、結婚した後は片目をつぶるべきだろう。

「うちの亭主は とってもヒドイ!? 何でそんな人 選んだの?」

 相手だけを加害者として一方的に非難する姿は、やはり美しいものではない。交通事故などとは異なり、その相手を選んだのは、ほかならぬ自分自身なのだから。
(平成21年4月)