● 弁護士任官どどいつ(6)
竹内浩史(東京高裁) 
「もっときちんと 書かなきゃ駄目ね 主文を導く 法理論」

 井上薫裁判官の新著「司法のしゃべりすぎ」(新潮新書)を読んだ。他の裁判官の判決理由には蛇足が少なくないと批判している。ちなみに井上判決の理由欄の表題は「主文を導く法理論的過程」となっている。傾聴すべき点もあるが、最も大切なのは主文が正しい事、そして理由に不備が無い事だろう。この点、高裁で拝見していて、地裁の他の裁判官の皆さんはよく頑張っていると思った。私も4月からは東京地裁に異動し、単独の裁判も担当する。必要十分で分かりやすい判決を目指したい。


(平成17年3月)