● 悪魔の法典(23)
チェックメイト
第23条「裁判所における最も重要な規則は、どの部に誰を配置し、どのようなルールで事件を配点し、誰がいつ法廷を使えるかを決める規則である。」(憲法77条、裁判所法20条・29条ほか)

 裁判官会議の議決事項とされる司法行政事務の多くは、長官や所長等に委任されているのが実態だが、最後に残る最も重要な議題は、実はこれである。
 何でそんな形式的なことが、と疑問に思われるかも知れないが、恣意的な事件配点を予防し、裁判官相互と事件当事者間の公平を図るためには、とても重要なことだと思われる。
 残念なのは、この議題さえも、裁判官の異動に伴う4月からの大規模な変更については事前の裁判官会議が開かれず、所長による応急措置として実施されて、6月頃の裁判官会議で追認する形を採っている裁判所が少なくないことである。
 これ以上の形骸化は無いように感じるのだが。

(平成23年4月)